豪商でありながら画家、書家、思想家、文人として江戸末期一級の文化人であった高井鴻山に関する資料が集積・展示されています。
おびただしい数の作品もさることながら、鴻山の書斎翛然楼(ゆうぜんろう)など当時の面影を色濃く残す建物群が訪れる人の心を揺さぶります。例えば鴻山が北斎のために提供したアトリエ碧漪軒(へきいけん)は、ひと間しかない極めて質素な一軒家にすぎませんが、そこには北斎の面影と彼を慕った鴻山の想いが感じられ、それはガイドブックや書籍では絶対に伝えることのできない“当時を生きた人の残り香”と言えるでしょう。